2014年8月29日金曜日

8.28 日本ガイシホール LIVE REPORT

 


 今晩のショーを観たことを、一生自慢したい!
 そう思えるほど、最高のショーだった。

 だって、ノッケからバンドの勢いが違った。1曲目のイントロでいきなり長渕剛をはじめ、フロントのピーター、ジョン、ichiro、昼田がステージ出べそまで躍り出てオーディエンスを煽り始めた!
 そして、ローレンのキーボードと長渕のハープとのバトルだ。長渕がローレンに近づいたかと思うと、いきなりしゃがみこんだ。そしてローレンも! 彼は手元を見ないで、ノールックで長渕とのバトルを楽しんでいる。ステージ左右にある2台のビジョンにローレンの手元が映し出された時のオーディエンスの溜め息とも歓声ともつかない声が会場を揺らす。そこにベースのジョンも加わる。めちゃくちゃ楽しい。
 長渕は立ち上がると、ドラムスの矢野に拳を突き出した。矢野は大きく吠えた。激しいドラミングで矢野はさらに応える。
 グルーヴ全開だ!!

「愛がいっぱいなんだよな。こんなステージ他にないもんな」

 長渕が名古屋のオーディエンスに感謝を込めて語りかける。
 オーディエンスからは歓声、口笛、拍手が乱れ飛ぶ。

 と、そこに長渕が即興の歌で応える。
 これがまた、すげえいい曲なんだ!
 もう笑いと涙とドキドキが止まらない。
 感情のジェットコースターに乗って、どこまで行くのかわからない! 

 オールタイム・ベストのツアーだが、もはやそんなことどうでもよい。長渕の強靭な肉体が火を吹いていく。隆起した背中をグイッと曲の合間に魅せてとオーディエンスは悲鳴を上げ応える。日本では観たことないロックショーだ。二十代のやつらが拳をあげて、叫びまくっている。とにかく、すげえー!!

 誰に感想を訊いても、一言目に「すごい!」って言う。
 みんな目を輝かせて、そう言う。

「俺たちの心のど真ん中に火を点けて欲しかったんだよ、長渕!!
 他に何をやったって動かなかった石みたいな心が、ゴロゴロと音を立てて転がりはじめる。
 そう、まさに目の前のロックンロール・バンドみたいに――。

 長渕がバンドを率いて、本ステージから突き出たランウェイステージを小粋なステップを踏みながら闊歩している。
 音に合わせて、全員でポーズをとっていく。

 今夜、名古屋で、長渕剛と彼のロックンロール・バンドのショーを観たことを一生忘れない。
 その感動は、ダイレクトに激しく僕たちを突き動かし、明日が来るのが待ち遠しくて仕方ない。
(この原稿を書いている今は、夜中の3時37分。ちっとも眠くない! 『俺の太陽』をリピートしながら朝陽を引きずり出してやろう) 

2014年8月28日木曜日

8.27 日本ガイシホール LIVE REPORT

 
バンドメンバーがステージに登場すると、これまでにないくらい一際大きな歓声が上がった。
 やっぱりだ! やっぱりきた!
 横浜から鹿児島と巡ってきたこのツアー、メディアを巻き込んですでに方々で話題になっている。とりわけ、日本とアメリカのミュージシャンの混成部隊がここまでひとつになっている姿が観る者をトリコにしている。
 
〝とにかくカッコいい!〟 
〝こんなロックンロール・バンド、どこにもいない!〟
 
 長渕剛が登場し、その時点でもうどこよりも分厚い歓声が会場を何重にも取り囲んでいる。今夜は、スゲエや――。
 
 それにしても名古屋、アツイ!
 ひとつひとつの歓声がデッカイ塊となって降り注いでくる。
 この歓声は、徹夜でこのステージを仕込んだスタッフたちの心を揺り動かした。照明、音響、舞台、特効、すべてのセクションに従事するスタッフの目つきが鋭さを増した。
 
 この名古屋初日の仕込みは、すべてを10時間でやらなければならなかった。深夜12時過ぎから怒濤のごとくスタッフがなだれ込み始まった現場は、まさに戦場。もうひとつのライブかと思えるほどの熱だった。その状況を、とりわけ長渕本人に伝えたわけではない。しかし――スタッフたちにうれしいサプライズが待っていた! ノンストップの仕込みを終えた昼頃、どこからか香ばしいにおいが。空腹を抱えたスタッフがにおいにつられて会場の裏手に出ると、そこには――「長渕食堂」の暖簾が! うなぎの蒲焼き! 三河一色の国産うなぎ! 限定100食! あっという間になくなったことは言うまでもない。
 長渕食堂は今に始まったことではない。
 しかし絶妙のタイミングでその暖簾が出て来るのは、長渕のスタッフへの眼差しのたしかさだ。
 
 総勢100人を超えるバンドとスタッフをひとつにまとめあげるのは、並大抵のことではない。長渕はバラバラだった細い線を、一本の太く大きな流れに束ねていく。ツアーとは、その錬磨なのだ。
 静謐な曲のギターソロをピーターがやさしいフレーズで弾き終わったあと、音を止めて、長渕が言う一言に、その行為に、すべてが凝縮されているような気がした。
 
「ピーターに拍手してくれよ」
 
 まるで自分のことのようにピーターと彼のプレイをオーディエンスに自慢している。子どもっぽい笑顔で。どうだい、うちのギタリスト、最高だろ?って。この言い方に、長渕の仲間を想う強い気持ちと今回のツアーへの自信が滲み出ていると感じた。
 
 そして、オーディエンスに対しても、バンドやスタッフに注ぐのと同じだけの愛情で向かっているのがわかる。
 今回どの会場も、バックスタンドを開放している。ライブ中、頻繁に彼らとコンタクトをとっている長渕の姿を目にする。ドラム台の上にのぼり、彼らに向かって拳をあげ、彼らの方を向いて唄う。その姿がどのタイミングからかバンドメンバーにも伝染し、ジョンがピーターがichiroがバックスタンドのオーディエンスを意識するようになった。
 
〝今夜のヒーローは俺たち全員だぜ!〟
 
 長渕はそんなメッセージを放っている。
 だからこそこのバンドはクールでカッコいいのだ。
 だからこそ、世界のどこを探してもこんなバンドはいないのだ。
 
 まだまだ転がりつづける長渕剛のNew Band、行き先はもっともっともっともっと遠くだ!
 さあ、まだまだ転がりつづけようぜ!

2014年8月22日金曜日

8.21 鹿児島アリーナ LIVE REPORT


それにしても、昨日の鹿児島アリーナは凄まじかったな…。
前日に眼前に広がった光景を思い出していた朝、不意に長渕から電話があった。「稲村、ピーターたちとウォーキングに行くぞ!」

長渕、デニス・マーティン、ピーター・ソーン、ジョン・バトン、ローレン・ゴールドたちと合流、城山の急勾配の坂を下り、明治維新の闘いの軌跡が残る史跡群をたどっていった。厳しい夏の日差しが容赦なく照り付け、Tシャツの背中は汗だくだ。しかし、みんな笑顔に満ちている。そう、ステージで見せるそれとまったく同じに!食い入るように石碑を見つめたり、おどけたポーズで一緒に写真を撮ったりして、本番前の午前を楽しんでいる様子だ。

ふと、誰かが訊いた。「ツヨシ、ここに何年いたんだい?」と。長渕は答える。「ハイスクールまでだ。当時は皆と同じぐらい、髪も長かったんだぜ(笑)」「リアリー?」・・・爆笑の渦が沸き起こる。その場はもはやファミリーのようだ。思えば、彼らがリハーサルのために来日してからすでに一か月以上が経つ。カナダ出身のピーター、アラスカ出身のジョン、そしてサンフランシスコ出身のローレンも自身のふるさと、そして家族が待つ地に想いを馳せているに違いない。そして今日、長渕のふるさとを共に歩き、空気を吸うことで、さらなる結束が生まれたに違いない。「ツヨシのホームタウンで最高のライブをやるんだ!」と。その後長渕は、照国神社で「二礼二拍一礼」の所作を彼らに教えてお参りをし、「しあわせになれるから」と、お守りをプレゼントした。途中、偶然出くわしたファンが「ピーター!」と声をかけてきた。異国の地で名を呼ばれたピーターは、照れくさそうに、しかしキラキラした笑顔を見せた。

次に彼らは、昭和初期の佇まいを残す中央公民館を訪れた。タイムトリップしたかのような空間で思い起こすかのように呟く。「この小さな会館から俺は始めたんだ。ここをいっぱいにしたら、次は隣の宝山ホール。そして鹿児島アリーナだ」海の向こうにそびえる桜島を指さして、ジョンは「本当にあそこでやったのかい?」と肩をすくめる。長渕はそうして、階段をひとつひとつ昇ってきたのだ。自らの努力と鍛錬で切り開いてきた道。その道中で、素晴らしい人間にこうして出会ったのだ。時間は必要としたかもしれないが、タイミング、メンバー、スタッフ、すべてのパズルが奇跡的に組み合わされたからこそ、最高の瞬間がステージ上に産み出されるのだ。

この日の夜は、ハナからスロットル全開だ!メンバーも輪をかけるようにヒートアップしていく。ちょうど10年前の桜島のオープニングさながら、いや、それをも上回るテンション感でライブは続いていく。長渕は10年歳を重ねたが、己に課し続けてきた肉体練磨によりむしろパワーアップしている!いったいこの男は、どこまで燃え続けるんだろうか?「あれから10年経った。あの時の情熱はまだあるか?次は10万人集めるから、みんな来いよ!今、場所探してるから待っててくれ!」そう言い放った長渕の情熱は、変わらないどころか、さらにメラメラと、桜島のように燃えている。本当に、恐ろしい男だ。

ユニバーサル ミュージック 稲村新山

2014年8月21日木曜日

8.20 鹿児島アリーナ LIVE REPORT


やっと来た、やっとこの日が来た!
長渕剛のhome townでのLIVEは格別だ。
開演前から鳴り止まない剛コールもさらに力が込められている。

今回のLIVEは、今までと一味も二味も違う。
バンドメンバーをアメリカから呼び寄せたのはもちろんの事。
違うのは長渕剛その人自身。
そのオーラのすごいこと!!
登場した瞬間、涙があふれてくるのだ。
そうだ!私はこの日を待っていたんだ!と感動に心が震える!
それはもしかしたらこの日を迎えるための長渕剛自信の努力を知っているからなのかもしれない。
ただ、このかっこよさは尋常ではないのは確かだ。

そしてあのパフォーマンス!!
ステージ中央に備え付けられた
”長渕剛特製マイクスタンド” を使って、練磨された肉体が舞う…  こんなの見たことない!

オーディエンスと長渕剛のパワーが一体となるこの瞬間が、私は大好きだ!

ARENA TOUR 2014 All Time Best
さあ、次は名古屋だ!
常に高みを目指す長渕剛のLIVEは、日々進化している!

この先が楽しみでならない!

text by 城山 桜

2014年8月20日水曜日

8.17 横浜アリーナ LIVE REPORT

横浜アリーナ二日目。

初日を見たファンから噂に聞いて、それなりの覚悟をして臨んだのだが、いざ始まると、
開いた口がふさがらない。こんなステージ見たことがない!

派手な余計な飾りもない、シンプルなステージ。
しかし、その後方をぐるりと客が取り囲み、ステージとの一体感・塊感がハンパない!

大型LED、照明、そして炎が三位一体となった演出効果は、海外に比べても遜色ない。
いや、むしろ遥かに超えている! 日本では絶対に見ることのできないレベルだ!

そのスペシャルなステージに立つのは、アメリカからのメンバー参戦による、
最強のバンドたち!こうなりゃ、最高のロックショーが繰り出されるに決まってる。

そんなバンドたちと真っ向から張り合うのは、さらに肉体を錬磨した、
我らがツヨシだ! アメリカ人3人、日本人6人を従え、絶妙なセッションワークを統率している姿を見て、
僕たちは、日本人であること、そしてツヨシのファンであることを、心から誇りに思える、そんなショーだった。

百聞は一見に如かず。
耳と目をかっ開いて待つべし!

ユニバーサルミュージック 稲村新山

2014年8月17日日曜日

8.16 横浜アリーナ(初日) LIVE REPORT


もし僕が十代だったら、今日この日から人生が変わっていただろう。

 

長渕剛のツアーだ。

初日、横浜アリーナ。

すごかった!

ヤバかった!

 

開演を待ちわびる鳴り止まない剛コールの中、BGMが切り替わり、大音量のロックンロールが響き渡る。

地明かりのままメンバー、長渕剛がステージに登場。

そしてなんと、そのままラフに演奏が始まった!

こちらが身構える前に、いきなりガツン!と一発お見舞いされた感じ。

シルエットに浮かび上がるのは、日米がタッグを組んだニューBand

ピーター・ソーン(Gt)、ジョン・バトン(B)、ローレン・ゴールド(Key)ichiro(Gt)、昼田洋二(Sax)、矢野一成(Ds)、陽子&佐江子&MAYUKA(Cho)

長渕剛は、真っ赤なレザージャケットに白いシャツ、黒いストールを巻き、パンツはブラック一色ながら、フロントのデニムとバックのレザーがひとつになっているというスタイル。なんだかBandをスタイリングで表現しているよう。

これまでとは違う。ぜんぜん違う!

キレッキレのサウンドもワールドワイドな見た目も最高にクール。だけど何より違うのは、メンバー同士の距離感や体温が、近くて熱いんだ。

こんな長渕剛、見たことない! こんなBand、はじめてだ!

とんでもないことが起こるぞ!

もう、鳥肌が止まらない! 驚く間もない! ただただカッコ良さにノックアウトされてる。

 

まだ子どもだった頃、音の悪いラジカセから聴こえてくるロックンロールに夢中になった時のことを思い出した。胸に熱いものが込み上げて来る。最初っからそんなに飛ばしまくって大丈夫? 自分で自分を心配しているのに笑ってしまった。

 

「バカヤロー、もっと派手に行こうぜ!」

目の前のイカしたロックンロール・バンドが舌を出す。

 

長渕がジョンの肩に手を掛け、1本のマイクで二人がシャウトする。

ピーターとichiroが背中合わせになり、火花を散らせながらお互いのギターを感じ合っている。

昼田のSaxはバンドとオーディエンスの感情をつなぐ虹の架橋のように響き渡る。

そして矢野のいたずら小僧のように楽しそうな笑顔がステージ全体に弾けている。

上手のローレンと下手のコーラス陽子&佐江子&MAYUKAがアイコンタクトして、ダンスを合わせる。

フロントの5人が一塊になって、前に突き出たステージ上でステップを踏んでいる。

 

人間と人間のぶつかり合い、愛情、尊敬……それらがロックンロールになって放たれている。

そうだ。そうなんだ。僕らが感動するのは、決まって〝そこ〟なんだ。でも、〝そこ〟を鳴らしてくれるロックンロール・バンドがいったい今、世界にいくついるっていうんだ?

 

ここにいるよ。

僕は声の限り叫びたい!

肉体と魂がひとつになった本物のロックンロール・バンドがここにいるぞ!って。

 

今日はまだ初日だ。

なのに、へとへと。

そして、最高に心地いい。

これを待ってたんだな――。

 

もし僕が十代だったら――いや、何歳だってかまわない。

ロックしつづけてたら、年なんて取らないんだ。

長渕剛と彼のニューBandが教えてくれた。